7/18の夕方のことである。私は作業小屋の軒先で照明の電気工事をやっていた。そこに怪しい雲が漂い雨が降ってきた。あー久しぶりの雨だ、とのんきに構えていたら「ドン、ドン」と雷の音がして、激しい雷雨になった。妻は土間のサッシを締め、テーブルから離れようと後ろ向きになった瞬間であった。「ピシッ」と鋭い音がして、土間周辺で光の柱が縦に光かった。そして、その直後、後ろの山の方から「ドーン」と激しい音がしたのだ。私は「ピシッ」という音と、閃光を見て、瞬間的に「しまった」「ショートさせたかな」と思い、配線した照明を見ると、ちゃんと明かりがついたままであった。あわてて土間にいた妻のところに行き「今、雷が落ちたろ?」と言うと、「うん」「後ろの柱付近で光った」と言うではないか。私は土間周辺の配線系統を見たが、特に異常はない。次に、家の分電盤のところに行き点検したところ、どのブレーカーも落ちていない。私は、念のためメインブレーカーを落とし、家の配線系統をすべて点検した。しかし、どこにも異常がない。次に雨どいや、TVアンテナなど金属類を中心に家の外部をくまなく点検したが、焦げ目など、どこにも異常が見当たらなかった。ブレーカを入れ、TVをつけてみたところ、地上波の映りが悪い。電波のレベルがだいぶ落ちていることが分かった。アンテナなのかな?と再びアンテナ配線をくまなく点検したが、やはりどこにも異常がなかった。最後にアンテナ配線の混合器のところのコネクタを緩め、締めなおしたところ、TVの受信状態は回復した。
話をまとめてみよう。
<状況認識>①土間付近より「ピシッ」という電気配線がショートしたような音がした
②土間付近(土間の中のように見えた)で光の柱(縦1~1.5m)が見えた
土間の中にいた妻は、「背にした柱付近で光った」と証言
③直後に家の後ろの山で「ドン!」というすごい音がした
※翌日、近所の人は一様に”近くに落ちた” と証言
<影響> ①家の分電盤・配線系統に異常はなかった
現場検証 ②建物の外部構造にも異常はなかった
③TVの地上波でアンテナ受信レベルが低下し映りが悪くなった」
→混合器のコネクタを締めなおしたところ、回復した ※アンテナ配線系統に異常はない
一体何が起こったのか? 直接落雷を示す痕跡はない。そこで考えられることを以下のように考察してみた。
想定1:雷が落ちたのは、家の東側で、小屋から見えた光は窓を透かして見えたもの?
→家の東側で落雷の音がしなかった。光と音の方向が不一致
想定2:雷が落ちたのは小屋の後ろの山で、土間で見えた閃光は、窓に反射して見えたもの?
→土間の中にいた妻が感じた閃光の説明がつかない
想定3:雷が落ちた本体は小屋の後ろの山であるが、同時に家の土間付近に枝となる”おこぼれ”の光が走った?
落雷とは対地放電現象である。放電の解析は一筋縄ではいかない。大気中のイオン状態で様々なパターンが考えられるからであり、金属類に落ちるとは限らないからである。よくわからないので、今回の現象は”想定3”の説が有力か。真相はいかに?